会長・副会長挨拶
SST普及協会の新たな一歩を踏みだすにあたり、SST普及協会会員、市民の皆様にご挨拶を申し上げます。
会長 福島県立医科大学会津医療センター 精神医学講座 丹羽 真一
副会長 帝京平成大学大学院 臨床心理学研究科 安西 信雄
副会長 神経科土田病院 池淵 恵美
副会長 同朋大学 社会福祉学部 吉田 みゆき
2026年を迎え、新たな出発をしようとしておりますSST普及協会からご挨拶を申し上げます。
2025年の世界は戦火の拡大があり、国内では主食のお米の値上がり、物価高に追いつかない賃金という、人々の生活に影響の大きな出来事の年でした。物価高はいわゆる社会的弱者へのしわよせが大きく、とくに精神障害を持つ人や、もともと生きづらさをかかえていた人たちの孤立や疎外が問題となっています。こうした状況にあるからこそ、支援の力を強めることが必要になっています。
SST普及協会は、さまざまな生きづらさをかかえる人たちが、希望を見いだし、毎日の暮らしの中で周囲の協力を得ながら、自分ができることを広げ、自己効力感を高めていくための学習や支援方法を提供することを目指し、1995年2月に発足しました。その後、事業の拡大と会員増にともない、2014年1月初めから一般社団法人になりました。
2025年には協会が発足して30年、一般社団法人格取得後10年となりました。協会では2024年から2025年にかけて、2025年を特別な年として迎えるべく、30周年記念事業実行委員会を作って関連した一連の記念事業を進めました。特に2025年7月には東京にて設立30周年記念大会を海外の研究者も招き、多くの人々からの御寄付と、多くの参加者を得て成功裡に開催することができました。30周年記念事業のスローガンは「人とつながるソーシャルスキル ― SSTで温かい社会を創ろう」です。30周年記念事業を行った今、私たち協会はこのスローガンの目指すところに向けて、SSTの普及と発展のための新たな一歩を踏み出しています。
こういう重要な節目の時期にあたり、私どもは2025年12月の社員総会にて協会の体制も新しくいたしました。22名の新たな理事が決まり、河岸副会長が退任され、新たに吉田みゆき副会長が就任されました。また、事務局体制も一新され、加瀬事務局長、増田事務局次長、品田事務局員、時田事務局員が事務局運営にあたることとなりました。さらに、協会の会計を担当されてきた土生さんが千葉さんに交代いたしました。代議員の任期はなお2年ありますので変更はありません。以上の新体制にて新たな一歩を踏み出してまいりますので、ここに会長、副会長として、SSTのさらなる発展を願い、協会会員や関係者の皆様に改めてご理解とご協力を申し上げる次第です。
本協会は、「生きづらさや困難をかかえる人を支えること」、そのため「全国どこでも必要な人にSSTを届け、その人が生きる力を育めるよう、支援を提供できること」を基本理念として発展してまいりました。今後も引き続きこの基本理念に沿い、本協会会員や支援者の皆様のご協力をいただきながら、当事者やご家族との連携を強め、SSTの一層の発展に貢献してまいりたいと考えております。
SST普及協会のカバーする領域は広いですが、その大きなひとつの領域である精神保健医療福祉については、病院から地域への動きが加速され、周囲の協力を得ながら、地域で自立して生活する力をSSTによって強めることが期待されています。また、教育や矯正教育・更生保護の分野でも新しい動きが展開されており、その中でSSTを求めるニーズが広がっています。こうしたニーズにこたえるべく、本協会は出前講座、SSTアンバサダーによるSST説明会を希望される施設に伺わせていただき、実施してまいります。
さまざまな分野のニーズに対応してSSTの「普及」を図るとともに、パーソナル・リカバリーを志向し、希望志向・共同創造・気づきを支える新しいSSTの実践、すなわち「co-productive and decision sharing SST(co-SST)」の開発・普及に努めてゆきたいと考えます。そのために、2026年から本協会が中心となり関連する団体・個人のご協力をいただいて、新たにオンラインジャーナルを発刊いたします。このオンラインジャーナルは今後の新たなSSTの発展に向けて研究発表、経験交流、試論発表と紙上討論の場となり、また国際交流の場ともなることを期待して、和文、英文原稿のどちらも歓迎いたします。また、30周年記念事業の一環として開発に協力してきましたVRを用いたSST(商品名、FACEDUO)をつかってデイケアに通院する患者さんの協力を得て、VRを用いたSSTの効果検証のための全国多施設共同研究を開始いたします。
2026年以降の新たなSSTの普及と発展へ向けて、SST普及協会の11の委員会の委員、全国11支部の役員、100人を超える認定講師の奮闘はもちろん、協会会員の皆様の積極的なご協力が必要です。みなさまのご意見やご提案をいただきながら、一般社団法人としての責任と社会のニーズに応えられるよう協会の発展を図りたいと考えていますので、ひきつづきご支援・ご協力をお願いする次第です。
2026年(令和8年)1月吉日





