W・関連学会からの報告
 
W.第11回日本精神障害者リハビリテーション学会に参加して
 
               梅花女子大学文学部人間福祉学科 角谷 慶子
 去る2003年9月25〜27日に第11回日本精神障害者リハビリテーション学会が長崎ウエスレヤン大学の田中英樹先生のご尽力により、これまで最大規模の参加者を得て、美しい長崎の大村市と諫早市において開催された。「めざそう! グローカル(グローバルとローカルを合わせた造語だそうです)リハビリテーション〜国際標準、地域基盤、協同と連帯の精神障害リハビリテーション〜」の大会テーマにふさわしい、海外からの豪華ゲストを迎え、様々なワークショップと地域の先進的な実践報告の発表が多数あった。私は米国ウイスコンシン州デーン郡メンタルヘルスコーディネーターのディビット・ルカウント氏、同じくデーン群「ソア」代表のジェン・コバーン氏が講師を務められたリカヴァリワークショップと、ストレングスモデルの創始者であるアメリカのチャールズ・ラップ氏が講師を務められたストレングスケアマネジメントスキルの研修会に参加させていただいた。
 はじめてお会いするラップ氏はそのお人柄がしのばれる優しい微笑みをいつもたたえられていた。ご自身の息子さんがLDで、その子育てにもストレングスモデルをそのまま適用されているというような具体的なお話を惜しみなくしていただいた。その人の強みを生かすストレングスモデルはSSTと共通するところが多く、それを用いたケアマネジメントはSSTに習熟した者にとっては馴染みやすいと考える。
 リカヴァリワークショップでは並み居る著名な講師陣よりももっと強烈な印象を与えてくれたのは当事者の体験発表であった。中でも香野氏の「リカヴァリーという概念を知って人生をリセットできた。それまでは治そう、もとに戻ろうということばかり考えていたが、新しい自分を造り出すという未来志向の考えになった」という言葉が心に響いた。
 その香野氏に象徴されるように、今回は当事者の参加と活躍が目立った。一般演題77のうち、11がピアサポート関連演題であった。関会設立時に寺谷隆子氏が「今は無理でも将来は当事者が参加できるような学会に」とおっしゃっていたのが昨日のことのように思い出される。月日のたつのは早いものである。
同氏が座長をされた最終日のシンポジウム〜どうなる、どうしたい日本の精神障害リハビリテーション〜ではニュージーランドの精神医療ユーザーであるメアリーオヘイガン氏もオブザーバーで列席する中、当事者からの活発な意見があいつぎ、座長が発言時間を制限する一幕もあった。これからも当事者主体の方向性はますます強まっていくであろう。当事者にその力をつけるため、また支援者がその姿勢を身に着けるため、SSTは具体的なスキルとして役に立つという思いを強くした。当事者と専門家・・・お互いを尊重しながら、よりよいパートナーシップを築いていきたいものである。