X・世話人たより (中国・四国地区)
慈圭病院 羽原 俊明
今回、世話人だよりが中国、四国地区の担当であるとのことで、原稿依頼が来ましたが、正直言って、大変困りました。というのも、これまでの他の地区の世話人だよりを読ませていただくと、どの地区も華々しいイベント、研究会があり、その報告という形でしたので、そういうことを書きたかったのですが、私が知る限りそういうものがなかったからです。当地区のほかの世話人の方々とお会いするのは、全国世話人会だけであり、普段、情報のやりとりも全くと言っていいほどないため、各県でどのような活動が行われているかもわからない状態です。このたび、この原稿を書かせていただくに当たり、何名かの世話人の方に連絡を取らせていただき、状況を知らせていただきました。それらの情報から、当地区の状況は各県ともほぼ同様で、組織だった活動というよりも、各施設、各個人レベルでの活動が中心であるようです。また、これまで医療スタッフが中心となっていましたが、最近では、福祉ホーム、グループホーム、作業所、障害者職業センターなど地域生活を援助する施設の方々の参加が目立ってきているようです。
私が居住している岡山県においても、各施設が、積極的にSSTを導入しそれぞれに成果を上げているようですが、情報交換はなされていない状況です。ここ数年の間に、私が勤務している慈圭病院において行っているSSTに1クール(約3ヶ月間)、毎週通われリーダーを経験され、ご自分たちの施設においてもSSTを始められたところが数施設ありました。このように少しずつではありますが、SSTを実施している施設は増加してきていますが、各施設がどのような方を対象に、どのような内容のSSTをされているかは、把握できておらず、「質」の確保ができているのかという危惧はあります。
当院でのSSTは、これまで基本訓練モデルを主体に行ってきましたが、我々リーダーの技術不足のためか何か重苦しさを感じてきました。それが特に顕著になるのは、宿題設定の場面でした。そのため、患者さんも気軽に参加できるプログラムという認識は持ちにくかったようでした。今回、ベラック式を使用した「会話のコツ教室」を行ったところ、参加メンバー、スタッフとも楽しく、しかも、効果的なSSTとなりました。
近年、統合失調症治療に非定型抗精神病薬が導入され、これまで以上に、社会参加が注目されるようになり、SSTがオプションではなく、系統的治療の一部として機能するような配慮が必要であると感じています。