特集 経験交流ワークショップin上越
U−2.第9回SST経験交流ワークショップin上越の幕を閉じて
上越実行委員長 川室 優
雪解けと桜のつぼみのふくらみが、春の訪れを告げた越後の地に515名の方々をお迎えし、第9回SST経験交流ワークショップを開催出来ましたことは、運営に携わった私たち関係者にとりまして、深く心に残る思い出となりました。会場となった上教大において、SSTを学び合いたいという気持ちとエネルギーを持って、2日間を共に過ごしたことは、「人と人の関わり」の大切さを教えてくれるものでした。既に、ワークショップに参加すること自体が、SSTの治療目標である「対人関係改善・向上」の成果となり得たように思われます。
今回は、交通の便が決して良いとはいえない当地で、しかも年度末という時期の開催となり、多くの方々の参加が得られないのではという不安と心配がありました。しかしながら、SSTに想いを寄せる関係者各位の御尽力によりワークショップを無事盛会裏に終わらせることが出来ましたことは、これもひとえにSST協会を支援して下さる皆様のご協力の賜でした。この温かいエールを忘れずに、今後もSST普及に努める努力をしなければと決意を新たにいたしたところです。心からお礼と感謝を申し上げます。
今回、全体会において、最近、とみに脚光を浴びておられる大野裕先生にご参加いただき、「認知療法とSSTの技法的な違い」などについてお話しを頂き、また「統合失調症に認知療法がどう活かされていくのか」という点については安西先生の指定発言を含めて、フロアーの方々とディスカッションが弾み、今後のSST発展に大いに役立つこととなりました。
全コース内容では、特に初級コースの申し込みが多く、お断りする状況もあってご迷惑をかけたことは、大変申し訳なく思っております。参加出来なかった方は、是非、今後チャンスを見つけSSTを学んでいただければと思います。今回、初級者が8割を占めておりましたので初級コースのフォローアップも必要かと思いました。メインコースである認定講師コースはさらに充実化し、このワークショップ開催の意義を改めて、多くの方が認識されたと思います。
医師コースも、年毎に青年医師が参加され、この点からも、日本の精神科医療の中にSSTが普及され、社会復帰技法として認知されて来たと考えられます。
この経験交流コースでは、当協会の国際交流への貢献として「中国医療従事者のためのSST」を前田ケイ先生に指導をしていただきました。本コースには、大野先生にも参加していただき、私もコ・リーダーとしてお手伝いいたしました。いつもながら、前田ケイ先生の指導力と感性の豊かさに感動いたすと共に、今後、アジアへのSSTの普及の必要性を感じた次第です。SSTが我が国に必要とされたのは、特に精神障害者が地域で暮らす(人とうまく関わり、自立的に社会生活が可能となる)ことへの援助技法の導入としてでした。この問題は、今後、アジアの諸国でも大いに必要となり、当協会がSST指導・教育のために、力になっていくことも重要な点でありましょう。
終わりに、今回のワークショップで企画いたしました「つくしの里オプショナルツァー」に80名の方々にご参加を頂きましたことも大変うれしく思っております。また、ワークショップにご来賓として御出席いただきました厚労省大臣官房技術統括審議官 田中慶司様はじめ、上越市健康福祉部長田村博様、新精協会長石田央様、新潟県精神保健福祉センター所長 福島昇様、またご祝電をお寄せ頂きました厚労省精神保健福祉課長松本義幸様に、心から感謝の意を表したいと存じます。今後、さらに西園会長の下でSST普及協会がより発展していくことを祈念し、次の開催地へ私のバトンを渡したいと思います。