Y・新刊情報
 
事例から学ぶSST実践のポイント」
 
  東京SST経験交流会編(編集代表 舳松克代)
  金剛出版、2002年10月発行
  2,500円
 
 大変便利な本が出ました。SSTについて、これまで理論編や技術編が数多く出版されてきましたが、こんどの本は、理論や技術を現場で統合した事例を描いてくれました。だから、わかりやすいのです。どんな環境で、どんな人を、どんな誘い方で、どんな課題を、どんな技術で、どのように支えて、どのようになったのか、それぞれの臨床場面が紹介されています。読むに従って、いろんなSSTの経験が体験できる仕組みになっています。読み飛ばしながらでも全体を通してみると、SSTのさまざまな技法がいつの間にか網羅されています。イメージがあると認知を助けてくれるものですね。
 読者諸氏の身近な現場で、ことさら立派な構造がなくとも、ごくありふれたメンバーの方々に対して、けっこうやれそうな気がしてきます。小さな課題を見つけて、小さく動かして、わずかに変化した生活行動が大切に思えてきます。メンバー自身の会や家族会でも参考にできる本です。応用編ですが、優れた入門書とも言えるでしょう。
 岩田先生の理論編がわずかでもあることが本書を引き締めてくれます。理屈がないと安心できない場合はここから入りましょう。

日本福祉大学 教授 野中 猛